2017/04/26
鉄筋コンクリート造の建物の天井下地
皆さんはご自宅で見えるところは気になっても、見えないところ(裏側、下地)は気にならないことが多いと思います。
今回は鉄筋コンクリート造の建物の天井についてちょっとお話しします。
絶対ではないのですが、鉄筋コンクリート造の建物の天井では、いわゆる骨組みに写真のような鉄骨材を使用することがあります。
軽量下地材というのですが、私たちの現場では「軽量」とか「軽鉄」とか言ったりします。
こういった骨組みを組んでから天井材を貼って仕上げていきます。
この材料のメリット・デメリットは簡単に言うと以下のようになります。
メリット
- 木材には反りや曲がり、割れなどがあるが、軽量鉄骨はそういった変形が少ない材料である
- 木材に比べて軽いなどの理由も含めて施工性が良く、工事も早い (天井を作るための上向き作業は結構辛いんです)
- 木材に比べて重量が軽く、搬入が容易である
- キッチン周りなどで耐火性が必要な場合に適している(木材だと燃えやすいですよね)
デメリット
- 木のように薄い材料を重ねたり、部分的に削ったりしにくいので、細かい現場調整がしにくい(水平を保つのに別の調整はします)
- 大工以外に軽量鉄骨を組む専門の職人さんが必要になる場合がある(リフォームの場合は規模によって大工で仕上げられることもあります)
高層階になると作業性が大きく変わるので、こちらを好む場合が多いのと、やはり防火のことは気になりますね。
さて、この状態からリフォームをする場合に、間取りを替えたい、といったケースになりますと、できるだけ天井下地を残して工事をしたいと考えます。
理由はやはりコストに跳ね返ってくるからです。
撤去処分して作業手間とゴミの処分費が増えるのと、造作代が増えます。
しかし天井の高さや水平が新しく部屋を繋いだところの天井と合わなくなることもありますので、そのあたりはできるだけ上手に段差を付けてデザインとして納めるようにしています。